公益財団法人山形県国際交流協会 AIRY

お知らせ

多文化理解講座「世界をのぞけば…」軍事政権下の人々へ人道援助は可能なのか?ミャンマーの事例から を実施しました

この講座は一昨年度まで、山形県内で活躍する外国出身の方等を講師に迎え、諸外国の文化を学ぶ講座としておりましたが、昨年度リニューアルし、有識者から国際関係の講演をいただく形となりました。今回は第三回目で、山形大学から人文社会科学部教授の今村 真央先生をお迎えし、ご講演をいただきました。

■内容

・⾃⼰紹介、ミャンマー紹介

 人口5400万人、極めて多様な民族構成

 独立から絶え間ない内戦、繰り返される軍事クーデター

・クーデター後ミャンマーへの⼈道⽀援ニーズ

 意図的、残忍な暴力

 国内避難民:180万人(このうち140万人がクーデター後)、推定6万戸が破壊・焼失、推定1760万人(全国民の約1/3)が人道支援を必要

・困難な⼈道援助

 ミャンマー国内での人道活動:様々な障害

 遠隔地・紛争地への困難なアクセス

 援助従事者への攻撃

・⼈道⽀援へのアクセス

 厳しい状況の中、支援はどのように届いているのか?

 電話によるアンケート調査方法

・「越境・連帯」型⽀援とは?

 The Border Consortium、Back Pack Health Worker Team等

・「越境・連帯」型⽀援への批判

 「人道援助の大原則である中立性を保っていない」

 人道的抵抗(humanitarian resistance)という概念

 近年の傾向:「中立性」から「公正・公平性」に

・おわりに:リスクとバランス


■参加者の感想をいくつかご紹介いたします。

・ 知らなかったでは済まないことが、世界中で起きている。難しいが、知ることから始まるのだと思いました。

・ 赤十字や国境なき医師団の支援活動だけでなく、様々な支援の手法また支援に対する考え方(原則)があること等、新たに知ることができ印象に残りました。

・ ミャンマーの現状について、より理解することができました。「支援の中立性」についてはあまり考えたことがありませんでした。

・ 人道的援助は中立的でなくても良い→印象的

ミャンマーを事例として、人道支援活動の理論と実践、また新たな潮流を知ることができ、非常に刺激を受けました。今村先生、貴重なお話をありがとうございました。