公益財団法人山形県国際交流協会 AIRY

お知らせ

多文化理解講座「世界をのぞけば…」イギリスの社会分断と福祉国家:移民(課題)大国から何を学ぶか? を実施しました

この講座は一昨年度まで、山形県内で活躍する外国出身の方等を講師に迎え、諸外国の文化を学ぶ講座としておりましたが、昨年度リニューアルし、有識者から国際関係の講演をいただく形となりました。今回は第4回目で、山形大学から人文社会科学部准教授の源島 穣先生をお迎えし、ご講演をいただきました。

■内容

1.はじめに

イギリスの社会分断:移民大国から移民排斥国へ

Brexitのキャンペーンに見られる移民排外主義

今回のテーマ

2.分析のポイント

そもそも福祉国家とは?

① 福祉国家の社会統合機能

② 福祉制度の普遍性/選別性

3.戦後~1970年代のイギリス福祉国家

完全雇用

普遍主義を中心とする福祉制度

旧植民地から移民の受入れ

福祉国家による社会統合の実現

4.1980年代~現在のイギリス福祉国家

選別的な福祉制度の強化

EUから移民の受入れ

移民が受給不可能/可能な主要福祉制度(2021年~)

福祉国家による社会分断の発生

5.社会分断の様相と移民排斥

福祉国家からみた社会分断の様相

移民排外主義勢力の台頭

6.日本への示唆

日本型福祉国家の特徴

イギリスと似た状況?

①福祉国家の社会統合機能

②福祉制度の普遍性/選別性

③生産可能人口減少

7.まとめ

今回のテーマとまとめ

含意


■参加者の感想をいくつかご紹介いたします。

・ 福祉に関して「普遍的」か「選別的」という2つに分断できるということを知った。全員が納得した福祉制度にするには、どのように変えれば良いのか考える必要があると思った。

・ 講座を聞く前はどうしてイギリスで移民なのかと思っていたけど、イギリスには多くの移民がいて、移民問題がEU離脱に関わっていたことが知れてよかったし、日本への示唆も聞けたのでとてもためになりました。これからの学習活動に活かしていきます。

・ 興味はありましたが基礎知識がなかったので、今日の講演は分かりやすくためになりました。

「福祉国家」という切り口から国民と移民をめぐる社会分断を論じるというテーマが大変興味深く、日本の福祉制度はどうあるべきか考える良い機会となりました。源島先生、貴重なお話をありがとうございました。