金正垠
酒田まつりの次に向かったのは鶴岡にある庄内映画村だった。庄内映画村は、その規模が東京ドームの約20倍ほどだという。主に時代劇の撮影をするセットなので背景に電線が見えない所でなければならない。そのため鶴岡駅から50分ほど離れた山中に位置している。ここで撮影した代表作品と言えば「座頭市―THE LAST」、「十三人の刺客」、「スキヤキウエスタンジャンゴ」などがある。山形に来る前に「スウィングガールズ」、「おもひでぽろぽろ」など山形を舞台にした映画は見たが、ここで撮影した映画は見たことがなかった。
庄内映画村は大きく六つのエリアに分かれている。今日はその中で山間集落、宿場町、漁村・農村エリアを見た。庄内映画村は規模が大きくて移動するときにはシャトルバスを利用した。もちろん、ゆっくりと散歩しながら見てもかまわないが、道は舗装されていないので足元に十分気を付けた方がいい。
シャトルバスに乗って一番奥の山間集落エリアに向かうと、いつの間にかタイムマシーンに乗って日本の過去に来た感じがした。平日なので他の観光客もほとんどなく、武士の服装をした職員さんがあちこちにいて、一人ぽつんと過去に来た気がした。
山間集落エリアには庄内弁で昔話をしてくれる人がいた。囲炉裏を囲んで座って話を聞き始めたが、とてもなまった方言で話していて本当に聞き取りが大変だった。でも、話の内容は難しくなくて何とか分かった。日本語超上級リスニングテストに挑戦してみたい方におすすめだ。
宿場町エリアには食堂、商店、家など約40軒が道に並んでいた。気がつくと、遠くから刀を持った武士が私たちに向かって来た。映画村の職員さんであることは知っていたがあまりにも現実的で、刀を振り回しながら飛びかかってくるような感じで緊張した。しかし武士の職員さんは私たちに剣術の手本を見せてくれたり、刀の体験をさせてくれたり親切だった。刀は偽物だから軽いだろうと予想していたが意外に重くて振り回すのが大変だった。
最後に漁村・農村エリアを見にいった。山の中に漁村?と思っていたが漁村の風景を作るために砂を敷いて船と網などは近くの庄内港から実際に使用していたものを直接空輸してきたという。農村エリアにあったたんぼも人工で作ったものだという。事実的な背景を作るために本当に努力したのだなと感心した。
素朴な漁村と農村の中に立派な屋敷があってこれは何だろうと思ったが商家の屋敷だった。村内で最大規模の建物だという。屋敷の外観も素敵だったが丁寧に作られた中庭はとても穏やかで縁側に座ってゆっくりしていたかった。
庄内映画村は主に刀で戦うアクションシーンの撮影が多いところだが、実際その雰囲気は周りの自然環境と調和していて穏やかだ。ここで撮影した映画をみてからゆっくりと楽しむなら、さらに魅力的な観光スポットになると思う。
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