金正垠
今日はちょっと遠くまで旅行してきた。山形市から車で約1時間30分走って到着したのは酒田だ。毎年5月19日から21日まで開かれる酒田まつりを見るのだ。19日は宵祭りで20日は本祭りである。
祭りを楽しむ前に今日一日酒田を案内してくれる本間さんから酒田まつりの話を聞いた。酒田まつりは約400年前から一度も休むことなく続いてきた、酒田を代表する祭りである。
酒田まつりは昔「山王まつり」と呼ばれたが、1976年にあった酒田の大火災の復興記念式を1979年に山王まつりと一緒に行なったその時から、酒田全市民の祭りとして楽しむために「酒田まつり」と呼ぶようになったという。楽しく説明している本間さんを見ていたら自分の地域に対する自負心と愛情が見えた。本間さんだけでなく日本人は自分が住んでいる地域への愛着が深くてその地域の文化を守ろうとする意志が強いようだ。だからこうした祭りも数百年も繋がってきたのではないかと思う。
説明のあと、見どころがいっぱいの山車行列を見るために市役所へ向かった。市役所の広場にはさまざまな山車が待機していた。その派手さに感心していると突然轟音が聞こえた。
祭りの開始を知らせる合図で祝砲を撃ち始めたのだ。半端ではなく大きい音で驚いたが祭りを盛り上げる儀式だった。
広場には高さ約20メートルほどの立て山鉾が立っていた。来る前にニュースで見たことがあったが実際にその姿を見ると美しくて迫力があった。夜になると明が入ってきてさらに美しいそうだが日程上昼間にしか見ることができないのが残念だった。
私達はただ立って行列を見るのではなく、観客に日本酒を配るために本間さんからはっぴをもらって着た。はっぴを着ただけなのに祭りのメンバーになったような気がして祭りを楽しむ意欲が沸いてきた。また庄内弁で「えっぺのめ~」と言いながら配ると観客の反応が予想以上に良かった。
行列に出てきた様々な装飾で飾られた山車はすばらしかった。幼稚園児たちのかわいい象の形の山車から、山車の上で太鼓を打つ人、歌を歌う人などそれぞれ自分たちのスタイルの山車を誇らしげに見せていた。
その中でも、韓国の「北青獅子」に似ている獅子が目立った。日本では子供が獅子の口に噛まれると健康に育つという迷信がある。だから子供の親たちに人気だった。
酒田まつりでも屋台がたくさん出ていたが、今年は東北地方の大地震でちょっと特別な屋台も出ていた。酒田や福島の特産品を味わいながら東北地方に活気を取り戻そうという目的で出ている屋台だった。
夕方の点灯式やイベントをもっと楽しみたかったが、次の日程で時間が迫っていたので、残念だが山車の行列まで見て次の目的地に向かった。
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